高橋将人


英語は大学入試でも文系、理系を問わず必須科目です。つまり、数学が苦手だから文系に、あるいは国語が嫌いだから理系、というような「逃げ」のできない科目です。そして英語が苦手の故に受験で大変不利になっている学生がたくさんいます。しかし英語は、数学や国語に比して得意教科にしやすい科目だと考えます。
数学も国語も小学校からの延長です。特に国語力とはそれまでに身につけてきた日本語のすべて、常識、感性等なのです。つまり生きてきたそれまでの時間が授業時間だったとも言えます。巨大な分母に対し、受験勉強で増やす分子はどうしても小さく感じます。
それに比べて英語は中学から始まって大学受験時でも6年間、高校受験ではわずか3年間しか習っていないのです。しかも週3時間程度。したがって入試問題も大したことは問えません。受験英語に強くなるということは、極論すれば、骨格となる文法を理解し、ボキャブラリーを増やすだけのことと言えます。努力した分だけ結果として返ってきやすい教科なのです。
ところが現実にはこの英語を苦手教科としてしまう生徒が多いわけです。「受験勉強の大半を英語に使っているのにできるようにならない、私にはセンスがないんだわ、英語って嫌い」となってしまっているのです。
その原因の多くは、中学英語スタート時のつまづきにあると考えられます。例えば数学ならば、「円周角」はよくわからなかったけれど、今度の「確率」は理解できる。などということもあるわけですが、英語は語学ですので全て積み重なっていくものです。土台が確立されないと積み上げはできません。数学にしても足し算、掛け算が区別できなければ何もできないでしょう。そういったことになりがちなわけです。                             
それでは、中学生はどういうところでつまづくのか、なぜなのか、またそうならないためにはどうしたら良いのかについて、受験英語征服のための2本柱、文法とボキャブラリー(単語の暗記)に分けて簡単に述べてみたいと思います。